売上改善の着眼点
今回は、売上を上げるためには何に着目しなければならないのかという、考えるべきポイントの一つをご紹介したいと思います。
分析の基本は「分解」すること
どんなに大きな問題も、その問題を構成する要素ごとに分解して考えると何を改善するように取り組むべきかが見えてきます。「売上が足らない」という問題についても、売上の構成要素を分解して考えていけばいいのです。
売上とは例えば「客単価」と「数量」に分解する事ができます。
また、客単価を更に分解すると、全ての客単価をいくつかのグループで分けることができます。低価格帯・中価格帯・高価格帯というような具合です。
数量についても、新規顧客か既存顧客(リピーター)というように更に分解することができます。
このように問題を構成要素で分解することによって、売上が足りていない事の主な原因がどこにあるのかをつかむ事ができます。
売上までの距離感をつかむことが大事
売上を構成要素ごとで分解できたら、次に考えるべきはどの部分を改善しないといけないかという事です。例えば、平均の客単価を上げないといけないのか、程価格帯の顧客とは縁を切って高価格帯の顧客に注力するのか。もしくは、客単価の方は何も変えずに、新規顧客獲得に注力するのか、リピート率改善に注力するのかといった具合です。
そして改善点の着目先を決める際に、もう一つ考えなければならないのが、改善する項目の優先順位です。資金や営業人材が豊富にあれば別ですが、限られた資産で売上を増やさないといけないという事であれば、施策の優先順位づけは非常に重要な論点となります。
優先順位を決定する一つの指標となるのが「売上までの距離」です。
物理的な距離の近さや、顧客との精神的な距離の近さも基準にして、いかにして迅速に、そして効率的に売上を獲得できるのかということを基準に順番を決めないといけません。
利益率も意識した売上獲得を
最後に、当たり前のことを言うかもしれませんが、改めて確認をしておかないといけないのは、大事なのは「売上」ではなく「利益」であるということです。いくら売上が上がろうと、その販売活動をしたことにより会社に残る利益がゼロでは意味がありません。
例えば、売上は1億円だが、残る利益は10万円という案件と、売上は1,000万円だが残る利益は100万円という案件ではどちらを選ばないといけないのかというと、もちろん後者の方です。 経営者や部長といった営業を管理する側は「売上」を管理の指標にしたほうが、従業員の成果を把握しやすいという点はありますが、最終的に利益が多く残るのはどの案件かという事にしっかりと着目して売上改善に取り組んでいかなければなりません。